練馬山の会の40周年イベントの「日本アルプス全山縦走」の際に、白馬岳から鹿島槍ヶ岳まで縦走の予定が、体調不良で唐松岳から八方尾根を下りてしまった。その後何度か唐松岳から鹿島槍ヶ岳まで歩こうとしたが、台風が来たり、天候が良くなかったりで、五竜岳までと鹿島槍ヶ岳までは行ったが、その間が空いたままになっていた。今回は五度目の挑戦となった。
8月2日23時東京都庁発の高速バスで扇沢へ向かう。8月3日4時20分扇沢トロリーバス駅に到着。早めの朝食をとったり、トイレを済ませたり準備をして出発した。登山口は10分ほど道路を戻ったところにある。
扇沢から歩き出し、うっそうとした林の中を天気も良く汗をたっぷりかきながら登っていくと、林の間から種池山荘が見えてきた。種池山荘には10時前に到着した。ここから小高く見える爺が岳を越えて冷池山荘で一泊の予定。ここはゆっくり歩いてたっぷり景色を眺めても13時には到着した。
冷池山荘は大変な混雑だった。お盆を挟んだ8月の初めと終わりは大変混むそうで、この時ばかりは人数にかかわらず予約を入れ欲しいようだ。2人で一つの布団とか、廊下になるとか言われたが、二階の部屋に布団一枚で寝ることが出来た。念のため、翌日泊まる予定の五竜山荘に予約の電話を入れておいた。朝食はお弁当にして早立ちすることにした。
8月4日4時冷池山荘を出発。すでに登りだしている人も多く、布引山への途中で日の出を見た。布引山の頂上で見ている人も多く見えた。振り返れば剱・立山のモルゲンロートが見えた。鹿島槍ケ岳が近付くとごつごつとした険しい山容を見せてくる。日の出を見終わった人が小屋に戻るのとすれ違いながら布引山で休憩し、いよいよ急になる登山道を鹿島槍ケ岳南峰へと向かう。ここからヘルメットをかぶり、崖の細い道に入り北峰へ向かう。北峰の手前にキレットへの分岐があり、ザックをデポしてカメラと水をもって北峰へ上った。北峰はの頂上は狭いが、ここまで来る人も少ないのかもしれない。キレット小屋から来た人と雑談し、写真を取り合ってキレット分岐まで戻り分かれた。
キレットは所々本当に狭い崖路が有り、さすがキレットと言った感じであった。キレット小屋は小さな小屋で、まさに崖の間に作られた感じで、荷運びが大変だろうと思われた。
さてキレットの核心は過ぎたと思いきや、その後も予想以上の崖道が続き、鎖やはしごがあるのはまだいい方で、ずるずると滑りそうな崖道を渡ったり登ったり登ったり下りたりと、緊張の連続だった。精神的にも体力的にもかなりハードだった。五竜岳が近付いても岩のピークが幾つもあり、見るだけで精神的に参ってしまった。
最後のごつごつとしたピークがG5、G4と続いて、やっと五竜岳に取り付くことになったが、岩壁のどこのルートがあるのか見えない。よく見ると取り付いている人がいて、ほぼ直登気味に登っていくようだ。最初はジグザグに登りだすが、すぐに鎖が出てきたり、砂で滑りそうな岩場をよじ登ったり、途中何度も気持が折れそうになりながらも、「行くしかない。」「ゆっくり確実に。」と言い合って五竜岳頂上分岐に到着。五竜の分岐はにぎわっていた。五竜山荘は布団1枚に2人で寝てくれと言われているとのことだった。
我々は頂上まで行き、晴れ渡った空のもと360度の眺めを満喫してから山荘へと降りて行った。予定では山荘まで10時間であったが、2時間早めに出て、1時間遅くついて13時間かかったことになる。お疲れさまでした。小屋では結局4人で布団3枚だった。同部屋になった岡山から来た男女4人も結局布団3枚だった。
8月5日は6時に小屋を出発し遠見尾根を下りたが、上り下りの人が多かった。ロープウエイ駅でビールを飲み無事の下山を祝福し、ロープウエイで降りたところの温泉で汗を流して帰京した。
大変厳しい山行でした。
布引山の途中で見つけた雷鳥の親子。
種池山荘から爺が岳を望む
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爺が岳中峰
爺が岳から鹿島槍ヶ岳を望む
鹿島槍ヶ岳の向こうから昇る朝日
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鹿島槍ヶ岳南峰から北峰へ渡る
キレットの途中
キレット小屋手前の橋
五竜岳へ向かう途中のピーク
五竜岳山頂