雪の日光澤温泉
以前私は子連れで冬の日光澤温泉に行こうと予約の電話をかけ、門前払いにあったことがありました。さて今回は、リーダーが常連客であり、予約してくださったので、私もおこぼれにあずかれます。芝犬たちに会いに、歩いてしか行けない秘湯日光澤温泉へいざ!
参加者は5名。前日まで吹雪いていたという奥鬼怒は、私たちの訪れた日には風もやみ、穏やかなお天気でした。
お出迎えはガードレールに座っていた猿。すぐそばを通過しましたが、車からだったので残念ながら写真がありません。
女夫淵から八丁の湯へ
一般の車が入れるのは女夫淵まで。ここで冬靴に履き替え、11時に出発しました。
鬼怒川沿いの歩きやすい雪道を歩いて二時間、八丁の湯に到着しました。山の中にこんなおしゃれで立派なログハウスが、という意外感があります。
レストランでカレーをいただきました。おいしいと聞いていましたが、本当に絶品。
日光澤温泉
ここに泊まってしまいたいくらい快適だった八丁の湯を出て、歩くこと約30分、日光澤温泉に到着しました。
まずはビール!というひとたちも、まずは温泉、というひとたちも、めいめい好きに楽しんで、18時にお待ちかねのばんごはん、それからまた温泉。幸せなひとときです。
温泉は内湯が2つ、露天が2つあり、それぞれ泉質が違います。
内湯は時間帯で男女が入れ替わり、両方楽しめます。露天は混浴。
お目当ての柴犬は、夜になってようやくサンボをちょっと見かけました。
翌日予定している鬼怒沼への道は、宿の人の話によると、踏み跡はなく、腰までの積雪となっているところもあるかもとのこと。
鬼怒沼南端までは標高差600mちょっと、前半が急登です。行けるでしょうか。
「チャレンジしてみるべきですよね!」というサブリーダー、「予定時刻までは進みましょう!」というリーダー。「初心者なので分かりませんが、行きます」というメンバー2人、吹雪いている風の音を聞いて溜息もしくは余裕の笑みを浮かべる雪国育ちの切り込み隊長。
鬼怒沼へ
サブリーダーは出発予定時刻の45分も前に、「では私は降りてますからね」とそそくさと玄関へ。意欲がうかがえます。
予定時刻の8:30ちょっと過ぎ、アイゼンをつけて出発しました。
ヒナタオソロシ展望ポイントとの分岐で「分岐ですが、鬼怒沼方面でいいですか?」と聞いてみると、「滝なんか見てたら間に合わないからね」とサブリーダー。達成の意欲がうかがえます。
分岐からしばらく進んだところで踏み跡がなくなりました。わかんをはきます。サブリーダーが先頭を切ってラッセルを始めました。切り込み隊長も続きました。
しばらく歩いていると、後ろから3人のパーティがやってきました。オロオソロシ展望台まで行きたかったようですが、踏み跡がないことを伝えると、話し合いの末、戻って行ってしまいました。
オロオソロシ展望台からは、確かに滝が望めましたが、滝は凍り、上に雪が積もって周りに同化し、遠目に見る限りあまりぱっとしない様子でした。
道が雪に覆われると、登山道が分からなくなります。こっちしか行けないものね、などと考えながら、あるいはピンクテープを探しながら、道を探します。ピンクテープがこんなにありがたく見えたのは初めて。
「10分ごとにラッセルの順番を交代してください!」と声がかかりました。切り込み隊長、リーダー、初心者、と順番が回ってきます。
いよいよ私の番です。
「次の人のことを考えて踏み跡を作りながら行くんですか?」
「先頭はそれどころじゃないからね、二番目に任せたらいいよ」
「では自分が進むことに専念します」
ということでスタート。
進めるところもありますが、雪が深く、傾斜が急なところは、目の前にある腰ほどの高さの雪を崩しても、足元まで崩れ、とっかかりがつかめません。ここはポイントが悪いかなとちょっと右に左にと試してみても、同じ・・。つかめるところをつかんではいあがります。
「あなたは小さいからね、あなたが進めても次の人は沈むんだよね」、などと言われながらも、雪に遮られながら進むのは、とても楽しい!
先頭が2巡ほどしたところで、予定時刻の12:30となり、打ち切り。あと少しで急登を抜けるところでしたが、仕方ありません。三角点なしタッチ&小休憩をして、来た道を戻りました。
日光澤温泉でデポしていた荷物を受け取り、わかんをはずし、足早に女夫淵に戻りました。
「雪山はよく行くが、こんなラッセルは10年ぶりだったよ、雪山とは本来道のないものだ」と、サブリーダー。初めての私もおなかいっぱい雪を満喫しました。
次回は、グリーンシーズンに鬼怒沼にリベンジしたいですね!