ハイキング

12月21日 アオラキ フッカーバレー@ニュージーランド

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12月21日、ユネスコの世界遺産アオラキ・マウントクック国立公園内にあるフッカーバレートラックをトランピングした記録。

アオラキは、マオリ語で「天を突く山」と言う意味だそうだ。英語ではマウントクックと言い、冒険家のキャプテンクックの名を冠した山だ。標高3724mと、富士山よりやや低く、ニュージランドで一番の標高を誇る山だ。しかし、3764mあった標高は1991年に崩壊して低くなり、更に10年ほど前に温暖化の影響なのか、山頂付近の氷が崩壊したことによってこの標高となったそうだ。

 

朝、お部屋から見えた風景。
お天気が良かったら正面左側にアオラキ・マウントクックが見えるはず…

前日、国立公園内にある老舗高級ホテル、ハーミテージホテルに到着した頃、小雨が降っていた。夜中には雨音が大きくなり、朝起きても小雨模様。4年前に旅行会社が押さえたという「マウントクックビューの希少な部屋」なのにもったいない。ミルフォードトラックでお天気の運を使い果たしたのかな?

 

ハーミテージホテルの朝食。ベーコンがおいしい。

夕食も朝食もビュッフェスタイル。ミソスープは人気らしい。眼ではもっといただきたいのだけど…

レセプション前に定刻に集合。ツアー前に日本人ガイドSさんから、ランチがたくさん入った重たいペーパーバッグが配られた。今日は、ミルフォードトラックと違って放牧ではない。ガイドに付いて、アオラキ・マウントクックを眺めながらフッカーバレーを歩く。

実は、部屋を出る頃には、なんと雨が上がっていた!! 意気消沈してのろのろと支度をしていた私は、狂喜乱舞した。

 

ホワイトホースヒルキャンプ場

まずは、キャンプ場を目指す。

 

アオラキ・マウントクック国立公園内
フッカーバレートラックのサイン

良い天気になった。アオラキ・マウントクックもばっちり見える(^^♪ ラッキーすぎる!! キャンプ場で給水とトイレ休憩。

 

ミューラー湖展望台。
氷河が削った石灰岩、ロックフラワーが含まれている。

ミルフォードトラックでは、川を含めてどこの水でも飲めたけど、ここの白く濁った川の水は飲めない。飲むとチョークの味がするそうだ。チョークを齧ったことがないので、味の想像をしてみた。

 

ひとつ目の橋
全部で3つの橋を渡る。

トランピングは、これらのランドマークをどこまで行くかで難易度が変わるが、終点までほぼ平坦なので誰でも歩けると思う。ハーミテージホテルでは見えた(はずの)アオラキ・マウントクックは、途中で死角に入っていて見えなくなった。

 

マウントセフトン。
時々、轟音をあげる雪崩が見える。

年間降雪量は70mって聞いた気がする。7mではない。ホンマでっかの世界だ。

 

橋がない時代は、向こう岸を歩いた。
時期によって白濁具合が違う川。

登山道が付けられているのが見える。画像真ん中付近で一度下がって、その先は土砂で登山道が流されているようだ。

 

歩き出してしばらくは見えなかったアオラキ・マウントクックが見えた!

晴れていても、山頂付近は雲で覆われていることが多いと言われる、アオラキ・マウントクックの山頂が見えた! これも超ラッキーだ!!

 

雨の後にしか見られない幻の滝

白く見えるのはサンドアバランチ(土砂の雪崩)で、その奥の岩肌には前夜の雨の贈り物、幻の滝が姿を現してくれていた(^^♪

 

ふたつ目の橋とアオラキ・マウントクック。
右手にはサウスアルプスが続く。

アオラキ・マウントクックはサウスアルプスの端にある山だ。

 

マウントクックリリー

ミルフォードトラックのマッキノンパスで、たくさん見ることが出来たマウントクックリリー。こちらが本物??

 

3つ目の橋とアオラキ・マウントクック

なかなか画角が難しい。iPhoneの望遠で撮ってみた。薄っすらと雲がかかるアオラキ・マウントクック。

 

3つ目の橋の上で。
アオラキ・マウントクックは標高3724m。

歩きながら、アオラキ・マウントクックが見られる幸せ❤

 

トラックの終点、フッカー氷河湖。
13キロに渡る湖だ。

下りてランチタイム。美しい風景を眺めながら、のんびりした気持ちがいい歩きは癒しだ。

 

フッカー氷河湖から、氷河をひとつ拾ってみた。
氷河は透明で食べることもできる。

ビックリするほど透明な氷河のかけら。しかし、冷たい。この氷河で、氷あずきを作ったらおいしいんだろうなと頭をよぎった。

 

ハーミテージホテルのランチ。
携帯おにぎりは日本から持参。

パン3枚のサンドイッチは、見るからに完食は無理。半分ほどもいただけなかった。携帯おにぎりは、日本に持ち帰るのもな~と思って朝お湯を入れてきたが、振るのを忘れたので味が混ざっていなかった(笑) ランチが入ったペーパーバッグの中には、お腹がいっぱいでもいただけてしまうリンゴと、油がにじみ出た大きく重たいスイーツが入っていた。スイーツは開けることもなかった。昔は、更にチュロスとクッキーが付いていたそうだ。ブラックホール的な胃袋でないと完食は無理そうだ。

 

クロアシツクシガモ
左:頭が白いのはメス。
右:雛鳥と、奥には頭が黒いオス。

メスの方が華やかな感じのクロアシツクシガモ。6羽いたヒナたちはまだ頭がもふもふだった。生え変わるまで、見た目で雌雄がわからない。

 

左上:マウンテンチュチュ。毒がある。
右上:?
左下:スパニアード。樹液は柑橘系の香り。香水の原料。
右下:ネイティブブルーム。固有種。

ガイドSさんは、ここにきて3年。学生の頃歩いたこの風景が好きなのと、世界で2番目の時給が魅力だと言っていた。どうりでニュージランドは物価が高いはずだと思った。チップの習慣がないが、チップの習慣がある外国人からいただけるそうだ。体育と英語だけは得意だったそうで、Sさんにはぴったりの仕事なんだろうと思う。Sさんは、近くにあるホテル関係者やレンジャーなど150人ほどが住むビレッジに住んでおり、ハーミテージホテルのネームの付いたユニフォームを着ていた。

 

左上:ルピナス。外来種。
右上:シベナガムラサキ?
左下:?
右下:オダマキ。

花の名前はわからないものもあった。

 

左上:ヒ―ビー。
右上:クラウンファーン。プリクリ。コル。
左下:?
右下:ラージマウンテンデージー。

コルは、ニュージーランドのナショナルプランツ。ニュージーランド航空の機体には、白地に黒いコルが描かれている。白と黒はマオリの神話の色。ニュージーランドのラグビーチーム、オールブラックスの色でもある。

 

ミューラー氷河湖

 

慰霊のケルン

穏やかな1日だが、実は10日ほど前に、アオラキ・マウントクックへガイドとともに入った登山者が雪崩にのまれ、ガイドともどもまだ見つかっていないそうだ。1日も早くご家族のもとに戻れることを祈る。この数日前には大雪が降って、木の枝が折れたと言っていた。

 

フッカーバレートラック概念図。

中央付近の赤いルートを歩いた。ケアポイントには行かなかった。アオラキ・マウントクックに登るには、右側にあるバルシェルターから入るそうだ。バルシェルターへはヘリを飛ばすこともできるそうだ。

 

ハーミテージホテルは、マウントクック国立公園内にある老舗高級ホテル。

ハーミテージホテルに戻って来た。ここで解散。部屋に入ってしまうとだらけてしまいそうで、レセプションの前にザックをデポして、17時迄開いているビジターセンターに出かけることにした。

 

アオラキの神話。

ビジターセンターを入ったところにある展示物。ニュージーランドがどうやって出来たかを表している。「モアナと伝説の海」を観た方はなじみがある半神半人のマウイと兄弟たちが操る船が座礁し、マウイがニュージーランドを吊り上げたと言われている。

アオラキとは「雲を突く山」と言う意味だ。ニュージーランドはアオテアロアと呼ばれ、「長く白い雲」と言う意味だ。AotearoaはAo(雲)、tea(白い)、roa(長い)。ハワイ語でアオは雲、ケアが白いという意味なのでテアが白なのは頷けるし、ロアは長いという意味も同じだ。ポリネシアントライアングルは、東の南にあるイースター島、北にあるハワイ諸島、西の南にあるニュージーランドを結んだエリアなので、かつて星を見ながら人々が海を渡って来た人の流れで作られた文化のトライアングルだ。

 

ビジターセンターの展示物。

アオラキ・マウントクックは、エベレストに登ったヒラリー卿が練習のために何度も登った山だそうだ。雪山装備や鋲が付いた登山靴、酸素なのか赤いタンクの展示があった。

ミルフォードトラック同様、お天気に恵まれて運が良かった! そして、12月19日ミルフォードトラックでヘリ搬送されたYさんも、一緒に歩き通せて良かった。

行動時間:7時間31分 休憩:1時間15分 距離:14キロ 上り/下り:320m/340m

 

ハーミテージホテルはダイニングからアオラキ・マウントクックが見える。
下は、バーカウンター。ビールの種類も多い。

ディナータイム。老舗高級ホテルだから豪華なのは当たり前かもだけど、こうしてみるとミルフォードトラックのハットは、ここと遜色のない豪華さだったと思えた。

 

ハーミテージホテル2日目のディナー。ブルーチーズとオリーブがおいしい。

フッカーバレートラック、アオラキ・マウントクックを歩いた12月21日は、私の誕生日だった。ツアコンさんが気を使ってくださり、カベルネソーヴィニヨンのブランをご馳走してくださった。スタッフさんにケーキを運んでもらって、他のゲストも一緒にバースデーソングを歌ってくださった。一生の思い出に残る出来事だった。初めてのニュージーランドで、特別な誕生日を迎えることが出来てうれしかった。

この日は、星空が素敵で、日本で見るのと裏返し?なオリオン座や、南十字星を満喫することが出来た。22時でも明るいから、星空を観るのも大変だ。

 

翌朝の散歩。ルピナスの花

ハーミテージホテルから出て、ひとり朝の散歩をした。散歩と言っても、トレランシューズの紐を緩めては歩けない。気を付けないとウサギの穴に落ちる。

 

オマケ画像

テカポ湖。
美しい星空でも有名な善き羊飼いの教会。

翌日の観光。テカポ湖は昼間に訪問したので、星空は見えなかったが、美しい風景を堪能できた。「善き羊飼いの教会」は、普通は閉ざされているようだが、日曜礼拝があった後らしく、中まで入って見学することが出来た。陸路の移動途中でサーモン丼をいただき、クライストチャーチ空港からオークランドに飛んで、オークランド空港そばのノボテルで宿泊した。

 

ニュージランド航空の機内誌

余り気にもしたことがなかったけど、日本とニュージランドの位置関係に注目した。今回歩いたニュージランドのトラックは南緯45度付近にあって、日本で言うと最北端宗谷岬のイメージだ。オーストラリアの最南端より南にあって、どちらかと言うと南極に近かった。日本との時差は、サマータイムで4時間。オークランド迄11時間。遠かったけど、また、絶対に行きたいと思った!!

ニュージランドで知った日本の良さ…便座が温かいこと! ニュージランドでは高級ホテルでも、シティホテルでも便座が冷たい(-_-;)

 

よろしければ、ミルフォードトラックの記録もご覧ください。

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