南アルプス・百間洞山の家でバイトしているS口さんを訪ねてきました。当初、両俣小屋まで縦走するつもりでしたが、台風21号で予定が完全に狂いました。(2018年9月6日〜10日)
東俣林道は土砂崩れで通行止め。それでも、行けるところまで頑張ろうと歩きました。道路の寸断は20カ所近く。帰りも歩きかと思うと気が滅入ります。初日は椹島の登山小屋泊。立派な自炊棟を独り占めして夕食をいただきました。
2日目は、赤石小屋まで。雨の中、尾根道を淡々と登りました。途中、イロガワリやムラサキシメジなど、キノコがいっぱい出てました。小屋では上から降りてきた登山者と同宿になりました。主稜線上はすごい風で飛ばされそうだったと言っていました。
3日目も雨。朝ごはんをどんぶり3杯食い、管理人さんに激励されながら出発。森林限界を超えると雨が激しくなりました。主稜線に出るとものすごい風。歩けないことはないけどが身体が持っていかれそう。風力7くらいでしょう。
少し高い所に着くと、そこが赤石岳山頂でした。止まりたくはないけど、根性出して写真を撮りました。赤石岳避難小屋がすぐ先にありましたが、一刻も早く風を避けたかったので、さっさと下りました。
その後は風も弱くなり、無事に百間洞山の家に到着。この日の客は自分1人だけだったので、小屋のスタッフと一緒に夕食のトンカツをいただき、歓談しました。S口さんは小屋の人らしく地下足袋派になっていました。ついでにワラジの素晴らしさを説き、ワラジ派にもなってもらいました。
4日目、ようやく雨がやみました。お世話になった小屋のスタッフに別れを告げ、出発。台風の後、聖岳登山口と聖平間を歩いた人がいなかったので、きた道を戻りました。
同じコースなのに天気がいいと全然、印象が違います。百間平から赤石岳までは、なだらかな凸凹地形が続いていました。赤石岳頂上からは悪沢岳や塩見が見えました。頂上直下のカールも間近で見ることができ、苦労が報われた感じでした。その日は奮発して椹島ロッジに泊まりました。
5日目、バスは2日目には復旧していました。しかし、その後、道路が陥没したため、畑薙大橋まで乗用車で行き、そこからバスに乗り換えました。それでも、歩くよりずっと楽チンです。
駐車場から30分ほど歩いて白樺荘。そこから、井川地区自主運行バスで井川駅前へ。しかし、大井川鐵道井川線は土砂崩れのため井川−閑蔵間は不通なので、さらに雨の中を1時間ほど歩いて閑蔵駅に着きました。所々、道路が川のようになってましたが、ビーサンなので楽勝でした。
井川線は日本で唯一のアプト式鉄道で、アプト式機関車を接続した長島ダム駅では雨の中、機関車を見に行きました。う〜ん、確かに歯車がありました。
台風の影響もあり、非常に効率の悪い登山でしたが、かえって山旅をじっくり楽しむこともできました。計画通りいかなかった時、いろいろな場合を考えて行動を決めていく面白さを味わえたのがよかったです。