6月23日は沖縄「慰霊の日」。この日になるといつも思い出すことがあります。
13年前に当時、沖縄に住んでいた山の師匠・雨宮さんを訪ねて現地の山や岩場を案内してもらいました。奇岩群が並び立つ南部の具志頭(ぐしちゃん)ボルダーも訪れました。
そこで、砂浜に並んだ琉球石灰岩の硬い岩壁あった無数の弾痕を見せてもらいました。風化しているものの岩肌に深く食い込んだ艦砲射撃の弾や、砂浜に落ちている砲弾。それらは探せばいくらでもありました。おそらく艦船からの弾丸が雨あられのように降り注いだのでしょう。沖縄戦のすさまじさを実感し、体が震えたことを覚えています。
60年以上経っているにもかかわらず、戦争の傷跡が生々しく残っていることに衝撃を受けました。
具志頭だけではありません。北部の名護市にある安和岳の中腹には、旧日本軍の陣地後がありました。詳しくは書けないけど他にもいろいろ見ました。本土では野外で戦争被害を目にすることは難しくなりました。でも、地上戦が行われた沖縄は、いまだに身近な存在だということがよく分かりました。
国は新基地を造るため戦争犠牲者の遺骨が含まれる南部の土砂を埋め立てに使おうとしています。慰霊の日に岸田首相は、「基地負担の軽減に全力で取り組む」とあいさつしました。県民の感情をさかなでするようなまねをしておきながら、よくそんなことが言えたものだと腹が立ちました。