国師ケ岳は大弛峠から1時間ほどで登れる奥秩父で人気ある山です。そこに、あえて川上村側の梓川を遡るルートから行ってみました(2023年8月18~19日)。
地形図にもある古い道をたどり、山と高原地図にも記載のある「梓川の岩小屋」に泊まって頂上を目指す計画でしたが、うまくいきませんでした。
最初は立派な道型を進めました。
しっかりした踏み跡も結構ありました。
しかし、道型や踏み跡にこだわりすぎたため何度も迷走しました。連続するナメ滝を嫌って高巻きして、急な泥壁にはまったこともありました。素直に沢通しに進まなかったのは失敗でした。
なかなか思ったように標高が稼げず、焦りました。おいしそうなキノコがいっぱい出ていても手が出ませんでした。
谷は大きな倒木がいくつも折り重なり、くぐったり乗り越えたりが大変でした。午後5時をすぎ、あたりが暗くなってきても、お目当ての岩小屋は、まだまだ先のようでした。疲れてヨレてきたので適当な場所でビバークすることにしました。
シートの上にお店を広げ、夕食の冷や汁をいただきました。あとは、ビビィに入ってツェルトをかぶるだけです。夜半は雨の予報でしたが降らなかったのは幸いでした。
翌朝は明るくなりだした5時半に出発。沢はせいぜいくるぶし程度の深さになっていました。しかし、倒木は相変わらずむごい。苔むした大木が折り重なり、さすが奥秩父だと感心する一方で、ため息ももれます。
標高2450メートルあたりで傾斜が増し、倒木とともにゴロゴロした大岩が谷をふさぐようになりました。これを越えていくのはちょっと大変。お昼過ぎには雷雨になる予報なので、コメツガの若木が密集する藪を20分くらい漕いで登山道のある東の稜線に逃げました。そこから約1時間で登山者でにぎわう国師ケ岳に着きました。
東と南の空は雲に覆われ富士山は見えません。車であふれる大弛峠を抜けて林道を川上村側へ急いで下り、バス停には雨が降り出す前に到着。1時間後には激しい雷雨なり、落雷もありました。レタス畑の真ん中で雷につかまらなくてホッとしました。
ネタバレは面白くないのでネット情報は詳しくは見ませんでした。それでもほぼ計画どおりの山行ができて満足しています。ただ、梓川の岩小屋をはじめ一番おいしいところを逃したようなので心残りはあります。再チャレしようか思案中。