大げさであざとく意味不明なタイトル、失礼しました。
歌舞伎の「女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)」という、おどろおどろしい演目名が、ふっと頭に浮かんでしまい、その世界観から抜けられなくなってしまいました…。
厳冬期の雪山では当たり前なのでしょうが、雪が締まった残雪期ばかり行くわたしにとっては、今回地獄のラッセルでした。
山行日は2/4(土)、5(日)で、メンバーは銀座山の会のヒロポンとわたしのふたりです。日光湯本温泉スキー場を出発して五色沼避難小屋に泊り、翌日は白根山東稜に取付き反時計回りに周回するルートです。
↑ 出発して5時間で到着した避難小屋。二階の窓から入りました
↑ 可動式の椅子があり調理台に最適。小屋には「先客」が一名いらっしゃいました
風はしのげますが屋内は昼間でもマイナス5℃以下。寒いです。
痛恨の失敗は、酔っぱらって湯たんぽを作らず寝てしまい、深夜に目が覚めた時に飲料ポリタンが凍結していることに気が付き、凍ったポリタンを抱いて寝る羽目になったこと。まさかの「逆湯たんぽ」状態で、震えながら朝を迎えました。
↑ 東稜まで新品スノーシューで快調に歩く筆者
写真を撮る余裕がなかったのですが、東稜に取付いてからのラッセルに時間を食われました。
相棒のヒロポンの身長は190cm、わたしは180cmなのでラッセルには恵まれている体格だと思いますが、直登できないのです。ジグザグを繰り返し1時間遅れでやっと岩稜帯に出ました。
↑ 目印となるトンガリ岩
ラッセルを終えて岩稜帯に出ると、今度は風の試練です。
アイゼンを装着して、心が折れそうになる強風と寒さに耐え稜線に出ると、あら不思議、風はぴたりとやんで春山の陽気に一変しました。
↑ 左上がピークで右の大岩を登る
大岩は右から巻くルートもあるそうですが、アイスが張り付いた岩場をトラバースする方が恐ろしいので直登しました。
一応、このルートの核心が大岩ですが、難なく通過できました。
↑ 登ってきた東稜を振り返る
↑ (写真右)山容中央から右上しているのが東稜、左雪面のトレースが一般ルート
ピークに立ったのは12:00過ぎ。小屋を出発してから5時間以上かかりました。